豚肉の紅茶煮

あたしがまだ高校生だったころのお話。
どこの高校でもそうだろうけど仲のいい友達が集まって
お弁当やら購買のパンやらを食べるのが常日頃だった。
その日も例外なく3人ほどの友達と机を寄せ合って
先生の噂話とかスーパーでのバイト話とかをしながら
お弁当を食べていたっけ。

たいてい自分のうちのお弁当というのは4日くらいおきに入ってるおかずの
レパートリーが尽きてしまって学期始めの何週間後かにはすっかり顔なじみの
シュウマイだとかたまごやきだとかウインナとかにおなかのすき具合を調整して
もらっていた。それはどこの家庭でも起こる現象らしく多少うんざりぎみのあたしたちはおかず交換をちょくちょくして舌を刺激しあっていた。
その日彼女からもらったおかずが豚肉の紅茶煮。
角煮とは違ってしつこくないのにしっかり豚肉の味をかもし出していてあたしは
とってもご満悦だった。

次の日彼女が一枚の紙切れを持ってきてくれた。
「ヌキさんが言ってた事お母さんに伝えたら簡単だから作り方教えてあげるって」
事細かに書かれた作り方。ご丁寧に「豚ローストポーク用2本」という言葉からは
やじるしが伸びていて広告から切り抜いてわざわざ貼り付けたとみられる
100g75円の豚肉の写真とつながっていた。

そのメモ書きは一度それらしきものを作って以来冷蔵庫に貼ってある。
たまにふと目に入ると高校生のお弁当の時間を思い出す。
お母さんもまさか紅茶煮のメモ書きが5年以上も
よその家の冷蔵庫に貼られることになるとは思ってもみなかったろう。
メモは捨てられずにやっぱり5年前と同じ位置で冷蔵庫に貼られている。
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by eringish | 2004-11-28 00:09 | ワシ的発言  

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