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the same yuki

雪が降ると思った。
目を盗むように細かな雪が
同じ色をした空を落下してきた。

あたしは雪の降り出す間際の空が嫌いだ。
白のようでいて白くない、
不安定なくせにてこでも動かなさそうな
妙に平べったくてのっぺりした均一な空。
大した特徴はないくせに
段々冷たく強くなってくる風がこれから雪が降る
伏線をちゃっかり作っていたりして
あたしはまた不安定なバランスのとれないような
眩暈がして倒れそうな なのに
この寒さで無理やり意識を押し付けられた感覚になる

この光景が何かを思い出させるんだ
そう感じる
だけど雪にまつわる具体的なエピソードなんて
ひとつもなかったりして。
生まれた感情をもとにしてチープなドラマを
作り出しているだけで。
そういえば自分は悲劇の主人公ぶってるって
いわれてるんだったことを思い出したりして
そんなことは9つのときから知っている。
と負け惜しみにもならない言葉がよぎる。

校庭はもう観念したように端の方から白く
色づき始めていて
自分も同じ色に埋もれそうになっている。
視界を遮った前髪の雪が鬱陶しい。
こんなにも理由なく苛立つあたしは
まんまと雪にエネルギーを奪われていく

by eringish | 2005-01-23 19:28 | ワシ的詩文  

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