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川の流れは絶えずして行き交ふ人もまた旅人なり。

1月のはじめにもらった干し柿はとうとうひからびてしまった。

年末に送られてきたカレンダーはいつの間にかブロンドの髪の女性から
黒髪のエキゾチックな女性へと変わっていた。
窓からは去年降った雪がまだ見えるというのに。

久しぶりに通った細道ではやる気のないガードマンが
工事中の看板を背にめったに通らない通行人に
必要のない合図を出している。
そこにあるはずの広い畑は杭が打ち込まれ
一定の規則だったやり方で区分けされていた。
私の好きな場所だった。
ときどき見かけた畑の少し腰の曲がった主のことを思った。

思い出の場所には新しいものが来て
新しい思い出の場所を彼らの記憶に刻み込む。
もうこの道を通る必要はない。
現実感がなくなる前に私の中に閉じ込めよう。
彼らと私は関係ない。
それに人は他者の記憶には無関心なのだ。

暗くなった帰り道落ちていたアクセサリーの片方を
拾って
捨てた

by eringish | 2005-02-05 19:45 | ワシ的詩文  

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