第4回 国際みなとまち大学リーグ参加記

横浜国立大学主催の国際みなとまち大学リーグ第4回セミナーに参加してきた。
みなとまちの歴史、文化、問題点、あるいは海洋技術、工学、政策など、
グローバルかつ学際的な海のシンポジウムだ。

公開セミナーのプログラムは2日間にわたり開催され、
初日は英語のみの講演、2日目は同時通訳付き(byサイマルインターナショナル)講演だった。

1日目開催メニューは以下の通り。
1.文科系のための海洋学(UK;Southanpton Univ.)
2.海賊対策と国際協力(横浜国大)
3.持続可能な開発のための教育(国連大学高等研究所)
4.日本の漁業の管理と保全:長い伝統と現代の挑戦者たち
5.ベトナム南部の港湾:現状と発展への戦略(ホーチミン市工科大学)
6.サザンプトン国立海洋センターの紹介(UK;Southanpton Univ.)
7.ITUにおける船舶海洋工学の教育、研究(トルコ:イスタンブール工科大学)
8.上海、上海交通大学と若い学生たち(中国:上海交通大学)
9.本学における小中高生向けの造船、海洋工学研究の普及活動(横浜国大)
10.理工学へのいざない(UK;Southanpton Univ.)
11.横浜在住バイリンガル系児童のバイリンガル言語能力(横浜国大)

ご覧の通りかなりボリューミーな内容で講演時間はひとり当たり約30分、
質疑応答に10分ほどが与えられる。
期待していた講演は2,4,7,11の4つだったが、
夕飯シフトだったため11のバイリンガル児童についての講演は聞けず・・・無念。



「2.海賊対策と国際協力」のプレゼンは国際刑事法が専門の田中利幸教授が担当。

内容はマラッカとソマリアの海賊対策における日本の役割と国際協力。

マラッカでの海賊対策では、武力の直接行使を行わない日本が
護衛航海、海洋巡視などの協力を通じてアジアでの海の安全に貢献した経緯が説明される。
各国間での情報交換ネットワーク機関として情報センターをシンガポールに設立、
財政援助も行うなど、日本は海賊対策に関して積極的な国際協調姿勢を見せる。

ソマリアの海賊問題は現在最も大きな脅威で、頻度も高い。
日本の武力不行使を持って太刀打ちできないケースも多いため、
それまではアジア圏内の海は自主管理の原則の下、アジア圏内で解決を図ってきたが
ソマリア海賊問題を期にアメリカへの海賊対策への参加を要請、
アメリカによる海上保全を導入することとなる。
また、それと同時に1カ国だけでは対応しきれない海の安全問題について、
司法が国際協働体制をとり、法的な安全の整備が進められた。

こうして海賊問題は国際的な問題として、各国が協調して対策が議論されている、と。



以下は内容そっちのけでプレゼン方法についてのいちゃもん。

学会発表にはいろいろなスタイルがあるのだろうけれど、
こちらの教授はPPTを一切使わない主義のようで、口頭のみで講義を進めていく。
大学の講義ならばいざ知らず、他言語での発表でPPTなしは聞いてる側には負担大だ。
予想していなかった法典の引用があったりするのにさっぱり書きとめられない。

新しい知識を他言語で構築することは非常に難しい。
例えば月の満ち欠けについての話を聞くのであれば、
月の満ち欠けについてはすでに知っている事柄だから理解は速い。
これがたとえば副腎皮質の異常症例についての話だとすると、理解はできない。

何が言いたいかというと、自分の背景知識が比較的浅い場合、
他言語での学会発表で確実に理解できることは、
もうすでに自分の知識網にある事物の範囲内か周辺部にとどまりがちだということ。
せっかく進歩的な発表でも完全な理解はなかなか容易なことではない。
せめてレジュメだけでも人に何かを伝えたいときには用意するべきだと個人的には思った。

長くなりそうなので備忘録としてシリーズ化する。
次回は「4.日本の漁業の管理と保全:長い伝統と現代の挑戦者たち」。
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by eringish | 2009-05-24 01:21 | 勉強とか  

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