カテゴリ:ワシ的詩文( 42 )

 

小休止

ふとペンを休める

ベランダに落ちている陽だまりが
10年前のそれによく似ている

穏やかな昼下がりのけだるさに
誰しもがあくびをするようなやわらかな世界に


かつて私もその一部であったかもしれないと

異国の雲に思いを馳せる
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by eringish | 2009-06-24 16:08 | ワシ的詩文  

色香

夕刻の闇が 輪郭をなぞる
暗がりに迷わぬよう
薄くまとった 白檀の香

黒髪を梳いた指の先
煮やした血が奪う あなたの冷静
爪跡に熱を残して
その温度で支配して

むさぼるだけでは
飽き足らず
味わうだけでは
退屈で

全部見たいというのなら
恐れないというのなら
あなた
日常から
少しだけ
溶かして逃がしてあげる
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by eringish | 2009-05-26 00:10 | ワシ的詩文  

パラフィン紙

薄く透き通る 

貴方 見破って

嘘やいつわりのない身体

その証明のため



全てさらけ出す

あいまいになる

内側と外側の境界



パラフィン紙 半透析の隔壁よ

潔白を果たすため

お前は常にからっぽでありつづけなければならない
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by eringish | 2009-05-23 19:01 | ワシ的詩文  

自転/前進の証

地球の自転を体感しないまま、
かれこれ何年もここに生き続けている。
時速1400Kmのスピードに目も回すことなく
京王線の窓枠に落ちる陽を
いつものことと切り捨てる

いつまでも変わりたいと願ってきた。
こうありたい、あああるべき。
人とは、優しさとは、正しさとは、強さとは。

いつまでも変わりたいと願ってきた。
いつも変われない自分に失望してきた。
自分だけ時間から見限られたようで空虚だった。

それでも信じるのだ。
きっと私も自転しているのだと。
すぐになりたい形にはなれなくとも
私が逃げなければいつかは近くまでたどり着ける。

悩むより先に行動を。
少しずつ私の周りで流れる景色、前進の証。
目標を見つけたこと、前進の証。
強さとは何かを知ったこと、前進の証。


時間がない。
焦らないで確実に、前へ。
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by eringish | 2009-05-06 23:39 | ワシ的詩文  

10年

15歳 世界の定義があやふやになった

16歳 自分がバラバラになった

17歳 アイデンティティなんてくそくらえと思った

18歳 やみくもに走った 出口があると信じていた

19歳 自分の小ささを 他人のせいにした

20歳 かすめ取られた

21歳 心の奥のほうでは信じていた

22歳 痛みは自業自得だった

23歳 一時の晴れ間に出会えた

24歳 信じてたけど 怖かった

25歳 世界がやさしくなった
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by eringish | 2009-05-01 01:11 | ワシ的詩文  

ハッピーエンド

淡い期待
置き去りにした
黄色い電車


眼鏡ごし
穏やかなまなざしと
やさしく温かな声



白紙で紡いだ物語
それもひとつの
ハッピーエンド
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by eringish | 2009-04-21 23:15 | ワシ的詩文  


臆病な点は

線になれず

疑っては迷い

迷ってはあきらめ

とうとう

つながることすらできずに
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by eringish | 2009-04-19 02:33 | ワシ的詩文  

棲みついたドロドロをすべて吐き出してしまいたい

そうです、どうせもう何もなくすものはないんです。
きっと自分だけが勘違いしているだけなんです。
きっと自分は何も持っていないんです。
なのに大事に大事にしているんです。
もう中身はからっぽなんです。
みんな知っているはずです。


もうここには言葉の種が一つもありません
なにも咲きません
なのに枯れるのが死ぬほど怖いのです

太陽も水も酸素もまだあるのに
みんなとってもやさしいのに
ちっとも期待にこたえられません

くるしいです

こわくてくるしいです
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by eringish | 2009-03-18 10:58 | ワシ的詩文  

いつもの道で

いつも全力疾走してしまうこの道を
ゆっくり歩いてみる。
ヘッドフォンもなしでいつものバス停まで。

時間が迫ってきて 追い越されるのもくやしくて
やっぱりいつもの道の いつもの景色が
見慣れた速さで通り越していく
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by eringish | 2005-09-22 18:59 | ワシ的詩文  

酔芙蓉

朝に白く咲いた芙蓉は
空に酔って紅く色づく
夜になって風が吹いて
夏をさらっていく
足元に堕ちた芙蓉の頸
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by eringish | 2005-09-08 00:44 | ワシ的詩文  

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