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なんだってこんなことになってしまったんだか。

高校1年生のころ若くてかわいいやたら元気な
生物の先生に受け持ってもらったことがある。
新任で男子クラス担当になってしまったときの
エピソードやなんかを授業の合間合間にしてくれる
楽しい先生だった。

たとえば男子クラスの初めての授業のとき教室入ったら
全員が後ろ向きに座っていてもう一度後ろのドアから入りなおして
後ろのミニ黒板を使って毅然と授業してやった話とか。
同じクラスで教室入ったら今度は生徒がいなかった話とか。
このときは結局教室に直結してるベランダに生徒が全員隠れていて
内側からロックをかけて誰もいない教室で授業やって帰った話とか。
やたら印象に残っている先生。

個人的な交流はなかったけど授業も分かりやすくて
古くて頭の固い先生の多かったうちの学校の中では
屈指の存在だった。

この先生の得意の話が5年付き合っているという彼氏との
エピソードだった。写真も見たことはないんだけど
なんでも料理が得意で細身の彼だそうで
プールに行くとガリガリで肋骨が浮き上がっていて気持ち悪いって話から
タイに行って急流下りしたら先生は大丈夫だったのに
彼氏だけが赤痢になって空港で隔離された話だとか。
そのほかいろいろ生徒は聞きたがるもんだから
この二人の話は尽きなくて。
もうあまり覚えていないんだけど、ああ、いいなぁ、幸せだなぁって思える
きっとみんなそういう気分で聞いてたこの先生の話。

そんな先生が髪を切ったのは生物ももう選択授業になって
受験を意識して勉強し始める多分5月くらいのことだったと思う。
もうクラスも替わっていて先生の受け持ちの授業はなくて
生物なんて世界史に上書き保存されちゃってるみたいな、
そんな時期。
先生が彼氏と別れたらしい、と。風のうわさに聞いた。
あんなに元気だった先生が笑わなくなった。
授業中に泣いてしまったり、クラスの親衛隊みたいな女の子たちに
励まされている姿を見たりすることになった。
同期で入った体育の先生が何事か大人の事情で別れたんだとか言ってた。

先生が今誰とどこにいるのかは知らないけど
またあの笑顔で誰かともっと幸せになっていればいいって
思ってる。

多分ずいぶんと月並みな言い方になってしまうけど
すごく痛い思いをするのは自分ひとりじゃなくて
ものすごく傷つくことって生きてる限り仕方なくて
だからこそ死んでしまいたいって思うこともたくさんあるんだけど
またきっと笑える日が来るから、
まだ終わらせないで、多分また話せる日は来るって信じている。

by eringish | 2005-07-21 21:39  

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